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Does the Iran War Put America First?
ロス・ダウサットとカート・ミルズの対談です。テーマは「イラン攻撃はアメリカ・ファーストなのか?」これは今のアメリカ右派が抱える最大の矛盾でもあります。
カート・ミルズは保守系雑誌 The American Conservative のエグゼクティブ・ディレクター。近年アメリカ右派に広がる「反戦MAGA」の代表的な声の一人。
ざっくり言うと彼の主張はこう。トランプは「アメリカ第一で無駄な海外介入を減らす」と訴えて支持を得たのに、イラン戦争に踏み込んだ。もしこれがイラク戦争の焼き直しのような泥沼になれば、共和党内で大きな亀裂が生まれるだろう。
相変わらずゲストの話を遮るのが大好きな聞き手ダウさっちゃん。特にもめている部分は共和党の「タカ派気質」のとこ。
ミルズ「我々はエリートの戦争に反対してきた」
ダウサット「いや共和党は普通に戦争支持してきたでしょ」
この歴史認識バトルが面白い。ミルズさんはけっこう過激な言葉でイスラエルの影響を非難していて「おおっ」となります。アメリカ外交はイスラエルに引きずられている、という意見に、ダウさっちゃんは「そんな単純な話じゃないでしょ」と地政学や同盟の話を持ち出す。
つまりこの対談は「アメリカ帝国の運転席に誰が座っているのか」という議論です。
ミルズさん的には、アメリカは世界警察やめて「帝国じゃない普通の大国に戻りたい」。ちょっとキャンディーズみたいですね(ふるっ)。そしてダウさっちゃんは、覇権なきアメリカって本当に成り立つの?と疑問を抱いている。
中東介入で「結局トランプも帝国路線かよ」となり、イラク戦争のときのように泥沼になれば、トランプ後にはさらに過激なポピュリストリーダーが現れる可能性がある、とミルズさん。MAGAに理解は示しつつ民主主義を守りたい穏健保守のダウさっちゃんは、「トランプよりヤバイのが出るって勘弁して」と言いたげ。
では、もし本当にアメリカが「もう外国で戦争しない国」になるとしたら、外交政策はどうなるのか?多分まだ具体的な思想はないんだと思います。帝国をやめたいはずの人たちが、中国には負けたくないとか、世界一ではいたい、とか普通に言うみたいだし。引退したはずのアイドルがわりとすぐ復帰してしまうアレですね。
トランプのあとのMAGA完全版が「帝国主義を降りたアメリカ」ならば、そこをどう設計するかは結構面白いテーマだと思います。反戦MAGAと反戦左派がどこかで接続して、庶民に優しく外国とは謙虚につきあう国ができないかなあ….と、ありえない妄想をしてみる。
