3分で読めるNYタイムズ記事まとめ

俺的アンテナに引っかかったニューヨークタイムズの面白記事を、個人的な感想と共に日本語で紹介しています。記事翻訳ではありません!


暗殺後に広がるチャーリー・カーク再評価

今日のピックアップNYT記事:Charlie Kirk’s Base Was Young People. Now His Tent Might Be Expanding

チャーリー・カークは10代で「Turning Point USA」を創設し、トランプ大統領を支持する若者を組織化した保守派の旗手だった。ユタ州の大学キャンパスでの暗殺は全米に衝撃を与え、トランプ氏は「チャーリーは誰よりも若者の心を理解していた」と追悼した。

事件後、若者たちの深い悲嘆に触れた中高年世代が初めてカークの活動に注目し、TPUSAには5万件を超える支部設立希望が殺到。サウスカロライナ州の女性は「親や祖父母のための支部を作りたい」と申し出た。SNS上でも同様の声が広がっている。フロリダ州の教会では出席者が急増し、「カークが信仰を再確認させた」と語る信者も現れた。

同時に、今までカークを知らなかった層による再評価も進んでいる。ある保守系ライターは、これまで「カークは自分ら年寄り世代には合わない存在」と思っていたが、若者の熱狂を目にして動画を見直し、カリスマ性に驚いたと語った。テキサス州のある神学者も「挑発的な扇動家かと思っていたが、一対一の姿は親切で真摯に議論に応じていた」と印象を改めた。

一方で批判や混乱もある。カークの挑発的なレトリックと「礼節を重んじる」という言葉の矛盾を指摘する声や、信仰やイスラエル観をめぐる解釈の食い違いが噂を呼び、牧師がカークの立場を改めて明言する事態も生じた。それでも信仰に支えられた姿は、多くの保守家庭にとって模範とされている。暗殺後の影響は家庭にも及んでいる。ルイジアナ州のペンテコスタ派教会の信者ジョセフ・ラーソンは、子どもたちにカークの動画を見せて「左派のメッセージに立ち向かう例」として示し、銃撃があった日の午後には家族で祈りを捧げたという。

事件から2日後、エリカ・カーク夫人はTPUSA本部で演説し、若者には支部参加を、親世代には12月のイベント「AmericaFest」への参加を呼びかけた。「子どもと一緒に来てほしい。チャーリーの魂はそこにいる」と語り、家族ぐるみでの参加を促した。

俺的コメント

チャーリー・カークを知らなかった年寄り世代が、暗殺後に彼の存在を知り、「こんな素晴らしい子がいただなんて」と感動したという話。そりゃそうでしょう。美人妻と可愛い子供たちがいて、「伝統的家族こそ健全な社会の基盤」と主張する若いお父さん。保守じじばば世代にとっては、「これぞ理想の息子(孫)」ってとこじゃないでしょうか。

カークは「青年よ、父になれ」と頻繁に言っていたそうです。これは、ある種のラディカル右翼にとってはムカつく主張だったのではないでしょうか。

ステレオタイプではありますが、非モテのインセル系とネットで毒を吐いているラディカル右翼は、非常に親和性が高い。父になろうにも、恋人できない非モテはスタート地点にすら立てないわけで。彼らにとってじじばば世代の理想の家庭像(美しく家庭的な妻と成功した夫と健常な子供たち)は、体制側エリート保守の象徴であり、反抗心やら嫉妬やら劣等感やら、ドロドロした感情を喚起すると思われます。

カークを殺害したロビンソンは、保守的な家庭に育ったけれどトランスのパートナーがいて、伝統的家族とは真逆の方向。カークを見るたびに、親世代に褒められる偽善的保守の姿を見ていたのかもしれません。

成功して保守の「体制側」に吸収されたカークに「父になれ」「伝統家族を守れ」と説教されても、「お前は若くて美人と結婚できてるから言えるんだろ!」と感じてしまうアメリカンネット右翼は多いはず。ロビンソンのようなケースでは、ミソジニー系の右翼から「トランスとしかつきあえない負け組男、おれは女に苦労しないけど」みたいに見下されるだろうし。

カークの死が美化され、じじばば世代に賞賛されることで、ラディカル非モテ右翼はますますいじけてしまうような気がする。とりあえず、美人の奥さんがいる保守は気をつけたほうがいいよ?



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新潟出身、カナダ在住。英語 -> 日本語 クリエイティブコンテンツ周辺のお仕事を請け負っています。

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