3分で読めるNYタイムズ記事まとめ

俺的アンテナに引っかかったニューヨークタイムズの面白記事を、個人的な感想と共に日本語で紹介しています。記事翻訳ではありません!


アメリカの老朽化:静かに進むインフラ危機

今日のピックアップNYT記事:Our Bridges Are Old, Our Grid Is on the Fritz, and Soon America Will Be Obsolete

多くのアメリカ人はインフラの重要性を、地下鉄が止まったり停電が起きたりと、生活に支障が出て初めて実感する。しかし今、アメリカは静かにインフラ危機に向かっており、生活の質と国際競争力がじわじわと損なわれつつある。問題は道路や橋の老朽化だけでなく、AIやクリーンエネルギーといった新しい技術を支える基盤の未整備にも及ぶ。

橋梁の老朽化はかなり深刻な状態になっている。全米にある約61万本の橋のうち、4万2000本以上が構造的に危険とされている。平均使用年数は40年を超え、一部では100年近く使われている橋も存在する。放置すれば、人命や物流に重大な影響を及ぼす事故につながる恐れがある。道路についても、4割以上が「劣化・不良」状態にあり、日常の移動や経済活動に影を落としている。

同時に、AIやデータセンターの急速な拡大により電力需要も急増中だ。2030年までにデータセンターだけで全米の電力の10%を消費すると見込まれ、現在の送電網では対応しきれない。必要な場所に電力を届けられないという状況は、技術発展を支える土台が崩れていることを意味する。

さらに、製造業の国内回帰も進んでおり、半導体やEV、バッテリー関連の施設が相次いで建設されているが、それを支えるインフラが追いついていない。バイデン政権は一時、インフラ整備に本腰を入れたが、予算をめぐる政治的対立や議会の機能不全に足を引っ張られることになった。クリーンエネルギー関連の雇用も、時代の不透明性を反映しての1万3千件以上が失われ、投資の勢いも停滞している。

こうしたなか、中国やヨーロッパは次々とスマートインフラへの投資を加速。対するアメリカは、送電網や橋の老朽化に手をこまねいており、民間投資も二の足を踏みつつある。

求められるのは、国家的なインフラ再構築への本気のコミットメントだ。送電網の強化、合理的な許認可改革、イノベーションの国内定着のための支援が不可欠である。橋も、道路も、そして未来を担う新しい技術基盤も、政治的分断を越えて整備しなければ、アメリカは再び「自分たちが生んだ技術を輸入する国」へと後退してしまうだろう。

俺的コメント

地元カナダも国土が広くてインフラ整備が大変。アメリカの状況もなんとなく想像つきます。仕事でIT周辺機器の会社とお付き合いがありまして、「クソど田舎に出張する人のためのUSBファックスコンバーター」とか売ってるんだよね。世界的巨大テック企業を生み出した国なのに、田舎の方ではネットインフラ整備が遅れていて、いまだにファックスが現役で頑張っているという矛盾。

カナダの場合は、人口密度があまりにも低くて、遠隔地のインフラの悪さは「行政の力が及ばないのは仕方ないかも」という諦め感があったりします。一方アメリカの田舎はそこそこ人がいるのに、政治に後回しにされがちで、みんな怒っているイメージ。田舎の民の怒りがポピュリズム台頭&トランプ再選につながったそうですが、バイデンが頑張ってたクリーンエネルギー計画やらインフラ支援、予算凍結だって?MAGAの皆様は、そこで「裏切られた!!」ってならんの?

インフラって、民主党も共和党も関係なく、みんなの生活を支える土台のはずなのに、ここでも「政治的分断」が土台を揺らしている、と。10年20年かけてやるべき計画が、選挙サイクルのせいで4年しか見てもらえない。政策の良し悪しは「それ、民主党?共和党?」が判断基準のすべて。坊主憎けりゃ袈裟まで憎い、バイデン憎しでバイデン政策は全部撤回!!んとに、冷静に考えれば、「政権が変わっても続けなきゃいけないプロジェクト」ってあるだろうに、チミらは何やってんだか…



About Me

新潟出身、カナダ在住。英語 -> 日本語 クリエイティブコンテンツ周辺のお仕事を請け負っています。

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