3分で読めるNYタイムズ記事まとめ

俺的アンテナに引っかかったニューヨークタイムズの面白記事を、個人的な感想と共に日本語で紹介しています。記事翻訳ではありません!


新卒黙示録:AIの台頭とエントリー職の消滅

今日のピックアップNYT記事:For Some Recent Graduates, the A.I. Job Apocalypse May Already Be Here

俺的記事まとめ

今月、数百万の若者が大学を卒業し、就職活動を始める。彼らの多くが目指す業界は、大卒のスキルをさほど必要としておらず、「新卒は高コスト、使い捨て可能」とみなしつつ、AIによる仕事の自動化を進めている。近年、特にエントリーレベルの職においてAIの導入が急激に進み、若手の雇用に深刻な影響が出始めている。

新卒者の未就労率は5.8%と高水準に達し、特に金融やコンピューターサイエンスなどの技術系分野での雇用が減少している。ある企業では、初級エンジニアの採用を停止し、AIツールで代替。他の企業でも、かつては75人必要だった仕事を1人のデータ科学者でこなすなどの事例が出てきている。

これまで、AIによる業務の代替は一部の事務作業に限られていたが、現在はソフトウェア開発など「成功・失敗の基準が明確な分野」でAIの能力が急上昇している。Anthropic社のAIモデルClaude Opus 4 などは、数時間連続でコーディングできる能力を持ち、数十万ドルの人件費に取って代わる可能性があるという。

こうした傾向は技術系職種に留まらず、コンサル、マーケティング、金融などホワイトカラー全体に波及する見通しとなっている。AnthropicのCEOは「5年以内にエントリーレベルのホワイトカラー職の半分が消える可能性がある」と予測する。

新卒向けの職がすぐにAIに奪われないとしても、二つの懸念がある。一つは、企業が十分に成熟していないAIに過剰に依存し、業務品質が落ちるケース。たとえば、スウェーデンのKlarna社は、カスタマーサポートをAIに置き換えたが、顧客の不満を受けて人間を再雇用した。もう一つは、企業が「どうせすぐ自動化される仕事」と見なし、新人研修や育成に投資しなくなり、若者が上級職へと成長できなくなる恐れだ。

一方で、こうした不安が若者の中に前向きな動きも生んでいる。A.I.を駆使して上司を出し抜く若手や、そもそも従来型のキャリア構築を捨てて起業に挑む人も増えている。スタンフォード卒のトレバー・チャウ氏は「人間としての価値が急速に縮小し、長期的に回収されるようなキャリアは意味がない」と語り、今こそ勝負に出るべき時と考えている。

俺的コメント

AIと新卒の仁義なき戦いが始まった…?いえ、平均的な人間の就労年数が40年くらいだとしたら、もう勝負はついています。経験値が上がると共にキャリアアップできる、という構造が崩壊するわけですから。

うちも子供ふたりが今月大学を卒業するので、非常に身につまされる記事です。上の娘が理系の4大、下の娘は実業系2年制カレッジですが、友人知人で就職がどこそこに決まった、という話を聞く事は皆無。とりあえず上の学校に行くか、自分探しの旅に出る子が多い。

未来が明るくないのは、新卒だけではありません。親の世代は、年金にはまだ早く、でも再教育される側にもなりたくない。それなりにスキルはあるけど、AIに消される気配はひしひしと感じていて、「あと10年だけでいい、まともに働かせて」って気持ちになります。若い世代のことを考えると、自分たちだけ逃げ切りたいって超絶ズルいのわかってるんですけど(涙)

そして辿り着くのが、「AIに使われる前に、AIを使う側に回らねば!」

先日、知人にAIトレーナーの仕事してみたら?と言われて、みんな知ってるあの会社に登録してみました。スキル試験にかけた時間、30分。登録が完了したら、1セント振り込まれてきました。

支払いシステムが開通しているかのテストだとわかってはいます。けして「お前の30分の価値が1セント」というメッセージではないんでしょうけど、まーそう言われた気にはなりますよね。

聞いた話では、巨大テックが雇うAI研究者の初任給は1億円だそうです。俺は30分で1セント。なんかもう、笑うしかないわ。



About Me

新潟出身、カナダ在住。英語 -> 日本語 クリエイティブコンテンツ周辺のお仕事を請け負っています。

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