3分で読めるNYタイムズ記事まとめ

俺的アンテナに引っかかったニューヨークタイムズの面白記事を、個人的な感想と共に日本語で紹介しています。記事翻訳ではありません!


トランプ銃撃事件とデマの拡散を許すソーシャルメディア

今日のピックアップNYT記事:Why the False Narratives About Donald Trump Are Likely to Spread

俺的記事まとめ

トランプ銃撃事件のわずか数分後に、ソーシャルメディアでは偽情報の拡散が始まった。犯人はイタリア人のサッカー解説者である、トランプは胸を撃たれた、といったデマに始まり、X(旧ツイッター)は陰謀論に満ち溢れた。

ソーシャルメディア時代初の大統領候補暗殺未遂事件。陰謀論はどれだけ広まっているのか?選挙にどんな影響が出るのか?偽情報の拡散を防ぐというプラットフォームの約束は守られているのか?残念ながら、私たちには知る術がない。

2016年の大統領選挙で誰も予想しなかったトランプ勝利の背景には、SNSを使ったロシアの工作や、Facebookデータの悪用があった。同じ過ちが繰り返されないよう、2020年の選挙までにSNS監視のエコシステムが立ち上げられていた。全国の大学に設立されたリサーチセンターは自動ツールでFacebookやツイッターのフィードをしらみつぶしに調べ、偽情報の生態を追跡した。ジャーナリストたちも公開されているツールを駆使し、フェイクニュースの蔓延状況を繰り返し報道してきた。

あれから4年、プラットフォームの透明性を追求する取り組みは危機に瀕している。偽情報リサーチは右翼からの嫌がらせや攻撃の対象となり、訴えられるケースが続出。また、偽情報リサーチはバイデン政権による検閲の陰謀であるとして、共和党が議会調査を求めている。こうしたプレッシャーの中、リサーチ団体の多くが活動を停止してしまった。

さらに、プラットフォーム企業自体が、偽情報リサーチを阻んでいる。リサーチ団体が求めているのは、公開・拡散されている情報に対する透明性だ。誰もプライベートな個人情報を公開しろとは言っていないのに、企業側はユーザーのプライバシー保護という名目のもと、プラットフォームデータへのアクセスを拒否している。自社プラットフォームの批判に使われるであろうデータを公開する馬鹿はいない、というところだろう。

欧州のデジタルサービス法は、この状況の打開に役立つかに見えた。この法律は、コンテンツ削除理由の報告、定期的な監査、調査用のデータアクセス提供などをプラットフォーム企業に義務づけているが、企業側は「悪意あるコンプライアンス」で抵抗している。Metaは欧州の法律を盾に広く使われていた解析ツールの提供を停止し、機能に欠ける別のツールと差し替えてアクセス制限を設けている。

トランプ銃撃事件の後、ファクトチェック団体が事件に関連する偽情報を特定しているが、プラットフォームデータを解析できる術がないので、拡散状況を知ることができない。アメリカは偽情報と世論の関わりの全体像をつかめないまま、目隠しをされた状態で選挙を迎えることになるだろう。

俺的コメント

フォロワー3万人の某Qアノン信者によると、オバマとかクリントンがCIAと共謀してトランプ銃撃を計画したそうです。檀家さんらが陰謀論をかますのは想定内として、現職の共和党議員も、狙撃は「バイデンの命令によるもの」と公言しているそうだ。一方、アンチトランプ派は銃撃事件はヤラセ説を流して対抗。ソースはCBCのニュースね。星条旗をバックに血を流しながら拳をつきあげた例の写真が、映画のポスターみたくカッコよかった(?)ので癪に障ったアンチは多いだろうよ。

記事の筆者は、デマで汚染された情報の川を透明にすべく日光に当てて消毒しよう、と言っていますが、陰謀論の伝播具合をデータ解析しても消毒になるのか疑問です。信じたいことしか信じない人にとって、ファクトチェックなんてどーでも良いことですし。記事コメント欄を見ましても、事実より信仰が大切な人々につけるクスリはない、という諦め発言が多い感じ。

都合の悪い真実をフェイクニュースに変換する方法、トランプはプーチンに教えてもらったんですかね?ちょっと前にRed Noticeという本を読みまして、プーチン政権による「事実の捻じ曲げ方」が匠の域に達していて、戦慄しながらも感心してしまったよ。トランプはプーチンみたく色々考えるのがメンドくさいのか、「フェイクニュース」という言葉を天使祝詞か真言のごとく百万回唱えればご利益がある、という単純かつ宗教的な手法に頼ることにしたらしい。アメリカは今、宗教戦争の中世に逆行中。



About Me

新潟出身、カナダ在住。英語 -> 日本語 クリエイティブコンテンツ周辺のお仕事を請け負っています。

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