3分で読めるNYタイムズ記事まとめ

俺的アンテナに引っかかったニューヨークタイムズの面白記事を、個人的な感想と共に日本語で紹介しています。記事翻訳ではありません!


トランプ流「NATOへの脅し発言」と国際社会におけるアメリカの立ち位置

今日のピックアップNYT記事:Trump’s NATO Threat Reflects a Wider Shift on America’s Place in the World

ドナルド・トランプは先週、遊説先で「軍事費を出し渋っているNATO加盟国は、ロシアが好きなように侵略すればいい」という趣旨の発言した。長年の同盟国よりもロシア側につく爆弾発言に、MAGA集団は拍手喝采し、世界は唖然とした。

トランプの発言は、国際社会におけるアメリカのリーダーシップという概念が、いかに様変わりしたかを表している。NATOは第二次大戦後にアメリカ主導で形成され、冷戦時に自由主義陣営の防波堤として機能していたが、冷戦の終息を経て軍事合意の重みは薄れつつあった。近年、トランプはさまざまな国際条約を攻撃し、NATOは時代遅れであるという考えを支持層に広めていった。世論調査によると、アメリカ国民の大半は、今でもNATOその他の国際同盟を支持しているが、100年前の孤立主義を思わせるMAGAの声は、高まる一方となっている。

「自分のことは自分で」的なナショナリズムを重んじるアメリカと、国際社会との連携を重んじるアメリカの対立は、これまでにない緊張を見せている。トランプは、自分が大統領に返り咲いたら、外国への援助はすべて終わりにすると主張し、現在のウクライナ・イスラエル・台湾の軍事支援問題についても、共和党は話し合いのテーブルにすらつかない態度を明らかにしている。アメリカは世界の軍事リーダーであるべき、と主張していたかつてのタカ派上院議員ですら、トランプに追従し軍事支援反対に回っている。

冷戦後の大統領たちは、例外なく、国際関係よりも内政に集中すると約束してきた。クリントンは経済重視を公約し、「国際同盟ビルダー」と呼ばれたブッシュ(父)を打倒した。しかし彼はその後、旧ソビエトが支配した地域へのNATO拡大を推進している。クリントンの次に大統領になったブッシュ(息子)は、他国ナショナリズムへの援助を減らすと公約したが、9/11により「戦時下大統領」となった。イラク戦争反対を唱えて大統領になったオバマは、後にリビアやイスラム国と戦うことを余儀なくされた。バイデンはアフガニスタン戦争を終結させたが、同盟国と共にウクライナ侵攻に反対し、NATOを強化して中国の台頭にも備えている。

こうした近年の大統領たちは、誰もトランプのように国際同盟に対して敵意を見せることはなかった。貿易・移民・防衛において、アメリカは同盟国から不当な扱いを受けてきたというトランプの主張は、80年代から一貫している。ついに時代を味方につけたトランプは、NATO脱退を仄めかし、パリ条約はじめ、さまざまな国際条約からアメリカを離脱させることに成功している。

トランプの「アメリカファースト」は、第二次大戦中に孤立主義者たちが唱えたスローガンに通じるものがある。ヨーロッパのいざこざに巻き込まれまいとした孤立主義は、アドルフ・ヒトラーを過小評価していたと後に批判されることになるが、トランプは歴史から学ぶつもりは毛頭ないようだ。

トランプは、アメリカの1/3を占めるかつての孤立主義者を取り込もうとしている、と見ることもできる。たとえばイラク戦争に辟易した層、グローバル化のせいで負け組となった層などに訴求力があるのだろう。ただし、トランプ以前に反戦・反グローバルを叫んでいたのは左派だったが、今は右派である、という違いがある。

アメリカ国民は、同盟のコストばかりを気にして、同盟がもたらす価値を理解していない、と大西洋両岸関係の専門家は言う。NATO同盟国は、テロリズムとの戦いでアメリカを支援し、中国の脅威に対してもアメリカと足並みをそろえてきた。ロシア、中国、イラン、北朝鮮などの利害は反米で一致しつつあり、今こそ国際同盟が重要である。グローバルな軍事同盟こそアメリカの強みであるということを、国民にしっかりと説明していく必要がある。

俺的コメント

今こそNATOですか…なんか悲しい。小中学生のころは冷戦真っ最中でしたので、NATOとかKGBとかの略語が何を意味するのか、普通に知っていたのですよ…漫画の知識で。カナダに引っ越してきたばかりのころ、ロシア人とイギリス人と一緒にボンド映画(たしかピアース・ブロスナンのやつ)を見にいって、ああ冷戦は終わったのだ!と、心から嬉しくなったものです。なぜ平和は続かないのでしょう。

アメリカが孤立主義だった時代って、ルーズベルトの頃かいな。あの頃に戻りたいと言われましても、ルーズベルトだって「アメリカ人を戦場に送りません」と公約してたのに第二次世界大戦に参戦せざるを得なかったじゃないですか。最近の大統領たちも、誰も外国との戦争に巻き込まれたくなかった、でも全員巻き込まれている。しかし「歴史に学ぶつもりはない」トランプ御老公は、本気で100年前に戻りたいと思っていると。

トランプとかプーチンは、いったい何がしたいのと、つくづく不思議です。頑張っても寿命はあと10年とか20年ってとこでしょう?老い先短いのに、100年前に戻りたいとか、ほんと意味不明。戻ってどうすんですか?よその国と関わらず、自分たちだけの力で豊かな国を作って楽しかった時代に戻りたいって?もしかして江戸幕府の開祖みたいになりたいのかね?そういえば、プーチンのアイドルはピョートル大帝だったね、ロシアの専制君主政治を完成させたっていう。100年といわず、17世紀まで遡行して戻ってくるな。

上述のボンド映画と同じ頃に「アルマゲドン」っていう映画があって、おお、ロシア人とアメリカ人が仲良くしてる、これぞポスト冷戦ハリウッド映画!って思ったんだけどね、一緒に映画見てた男子の一人が、「自分もブルース・ウィリスみたいに人類のために死ねる。でも死後に自分の銅像を立てて欲しい」って言って、お茶吹きそうになった。なんで今、こんなこと思い出したんだろ?男子の「死後に俺の銅像建てて欲しい願望」を分析すると、プーチン トランプ et alの心理がなんかわかりそうな気がする。誰か教えて!



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新潟出身、カナダ在住。英語 -> 日本語 クリエイティブコンテンツ周辺のお仕事を請け負っています。

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