今日のピックアップNYT記事:How the Russian Government Silences Wartime Dissent
俺的記事まとめ
ウクライナ侵攻直後、プーチン大統領は、「軍の信用を傷つける行為」を違法とする法律を成立させた。つまり、反戦的な言論を禁止する検閲法である。NYTの調査によると、今年8月までに6500人のロシア人が検閲法違反により逮捕・罰金の対象となっている。ロシアの総人口に対する割合としては小さな数だが、違反事例の内容を詳しく検証したところ、ロシア国民に対する容赦ない言論統制の現状が明らかになった。
プーチンの検閲体制は、まずは「公の場」での締め付けから始まった。反戦を主張する有名人を見せしめ的に罰するやり方から、摘発対象が一般人へと広がり、雪の上にスプレーで反戦メッセージを書くなどの行為が罰されるようになった。さらに、ウクライナ国旗と同じブルーとイエローの服を着た、ネイルをウクライナカラーにした、平和のシンボルである緑のリボンを身につけた、などのケースも違法行為と見做されるようになった。
開戦直後から、プーチン大統領は「戦争に反対する非国民は、社会から一掃しなければならないクズである」と述べ、来るべき言論弾圧を予感させていた。パブリックな場所での反戦スピーチを押さえ込んだ政府は今、人々のプライベートにまで厳しい検閲の目を光らせている。密告が奨励され、電車やカフェの中での会話を聞かれ告発されるケースも多い。自宅でウクライナ国歌を流すことも、プライベートなチャットグループでのコメントも罰則の対象となる。
政府はさらに、オンライン検閲にも力を入れている。反戦的な投稿に「いいね」をしただけでも摘発される。中国国境に近い小さな町に住むある美術教師は、反戦歌や「爆弾はいらない」と書かれた子供の絵をリンクしたSNS投稿がもとで告発され、3万ルーブルの罰金を課された上、勤務先の学校から解雇された。
独立人権団体の異議申し立てを受けたロシア憲法裁判所は、プーチンの検閲法を擁護している。「ロシア軍に対する人民のネガティブな評価は、軍のパフォーマンスに悪影響を与え、国防上のリスクとなる」という結論だ。しかし裁判所は、何が違法な言論なのかということは、個々の判事の判断にまかせ、クレムリンが制定する法律の恣意性を認めている。
戦争に対する正当な批判と「軍の信用を傷つけること」の違いは何なのか、と尋ねられたプーチン大統領の広報官は、その線引きは難しいとコメントしている。「どこにその線があるか?私は説明できない。非常に薄い線である。」
現在、検閲法違反の起訴には多大な事務手続きが必要となるので、起訴数はそこまで膨大な数に登っていないという。このため、多くのケースは罰則を免れているが、今後オンライン検閲が進むにつれて調査と事務手続きが自動化され、さらに多くのケースが起訴されるようになると専門家は見ている。
ロシア政府の検閲キャンペーンは、目的を達成したといっていい。政府に反対する人々の多くは、国を離れるか口をつぐむようになったからだ。政府の弾圧を恐れ、自己検閲を行うようになることを、あるロシア人は「自分の頭の中に牢獄ができる」と表現している。
しかし、一部のロシア人は抵抗を続けている。「民間人の殺戮と投獄をやめろ」と書いたサインを掲げ、5万ルーブルの罰金を命じられたモスクワ在住のある女性は、こう述べている。「いつか子供ができたときに、戦争が起こったときママはどうしたの、と子供に聞かれても、私はちゃんと答えることができる。」
俺的コメント
長い記事をざっくりまとめてあるので、原文で丁寧に取材されているデータをご覧ください。報道の人たちは尊いお仕事をされているなあと感動します。
読者の反応は、「トランプが大統領になったら、アメリカもこういう社会になる」というものが多いです。本当にそうかな?アメリカは全体主義だったことがないし、そう簡単にロシアみたいにならんだろうというのは甘いでしょうか。まずは内戦になりそうだけど。もう十分に国が分裂しているんだから、別々の国に分けて半分はプーチン帝国みたいにしてはどうか?首都はすでに検閲が得意なフロリダあたりで?
ロシア人民の「頭の中の牢獄」からの解放は一体いつになるのでしょう。学生の時お世話になったロシア語の先生、仕事で関わったロシアの元同僚、どうされているか気がかりです。どうか、ロシアにとっても、ウクライナにとっても、解放の日が1日も早く訪れますように。
