3分で読めるNYタイムズ記事まとめ

俺的アンテナに引っかかったニューヨークタイムズの面白記事を、個人的な感想と共に日本語で紹介しています。記事翻訳ではありません!


マッカーシー議長解任を求める共和党同志への箴言「政治家として成長すべき」

今日のピックアップNYT記事:My Fellow Republicans: It’s Time to Grow Up

我が共和党の強硬派メンバーが、連邦政府の閉鎖を防ぐために民主党の票に頼ったケビン・マッカーシー下院議長の解任を目指しているという。意見を異にする集団が協力してひとつの政府を機能させるという合衆国の原則は、どうでもよいらしい。彼らはまた、対立政党を指差し「邪悪な者たちが我々の存在を脅かしている」と喚きさえすれば、人々を煽動できることもよく知っている。

いい加減、大人になってほしい。

私にもかつて、未熟な一議員だった時代があった。1992年に初当選を果たした私は、共和党員として1995年の政府閉鎖に加担している。議員を務めた6年の間に、私は何度か愚かな言動をした。たとえば、気候変動への対策を訴えるアル・ゴア元大統領に反対した。アル・ゴアの言うことに耳を傾けるわけにはいかないという、実に小さい理由で。

その後、私は法律家としての日常に戻り、議会の動きを外野から眺め、自分と同じ過ちを犯す議員たちの姿を見て狼狽するようになった。

2004年、私は再び議会に戻る機会を得たが、2010年の共和党予備選挙の際に、複数の政策で異端的な立場を取り、党に批判されることになった。特に、気候変動は紛れも無い現実であると認め、炭素税を支持する立場は、その後もずっと守り続けている。環境問題に対する意識変化は、自分の息子からの影響が大きい。また、南極への視察で温暖化の証拠を目の当たりにし、グレートバリアリーフ視察の際には、環境保全を通じて神を愛し人間を愛するというオーストラリア人科学者にも感銘を受けた。

現役の議員だったころ、コロラド州代表のシュローダー議員とはよく戦った。彼女は中絶賛成、私は中絶反対。シュローダー議員は、あらゆる革新案件を支持し、私はあらゆる革新案件に反対した。私たちのやりとりは記録に残っており、お互いに対して実に辛辣だった。しかし3月に彼女の訃報を受け、私は深い悲しみを覚えた。同じ時代に国に奉仕した仲間がこの世を去ったのだ。お互い議員を引退してから何年も経ったあと、議事堂のエレベーターの中でシュローダー氏と一緒になったことがある。現役時代の敵意は消失していた。あの時、友達になりましょう、と言わなかったことが悔やまれる。

そして史上最悪の酷暑を経験した今年の夏、あらためて現役議員時代に環境問題に取り組まなかったことが悔やまれる。現在の私は、保守派を対象に環境危機についての議論を推進しているが、自分のような保守政治家が、もっと早くに気候変動に対してアクションを起こしていたら、現在の災厄を避けられたのではないか。

アル・ゴアと戦うのではなく、環境危機と戦うべきだったのだと、今ならわかる。今日の予算問題も、優先すべき大義は、いかに政府閉鎖を防いで国としての必須機能を保持するかであり、マッカーシーおろしが焦点であってはならない。連邦政府の赤字と借金は、国民全員の責任だ。

政敵との争いを超え、政治が目指すべき「社会的大義」とは何なのかを自問してこそ、政治家は成長する。政治の場を去るべき老いたる同志、共和政を脅かすリーダーに追従してはいないだろうか?分離が深まる議院において、混乱をさらに悪化させる片棒を担いではいないだろうか?アメリカ国民の間に深まる亀裂を修復し、国をまとめるべく自分は尽力しているだろうか?成長した政治家は、こうした疑問を己に問いただすことができるはずだ。

政治とは、いかに反対勢力を叩くかではない。環境問題や社会格差といった、すべてのアメリカ人に関わる重要課題においては、党派を超えた協力こそが重要となる。革新派は、代替エネルギーの実現に、(環境汚染を引き起こした)石油エンジニアの助力を必要とする。保守派は、(忌み嫌ってきた)社会主義的な識者と協力してベーシックインカムの概念を学ばなければならない。

議会を去ってから10年になる者として、現役の議員たちに諫言したい。今から10年後、意見が通らなければ政府を閉鎖するという脅しに加担したこと、敵対政党が邪悪の権化だと喚き散らしたことを、君たちは恥入るだろう。環境危機のように大きな課題に、早くから取り組むだけの賢さがあったなら、と悔やむだろう。エイブラハム・リンカーンは、「造反者」のリーダーを縛り首にすべきだという議員に対して、こう言った。「ある問題について、まったく違う見解を持つ二人の人間が、どちらも正しいということが有り得る。その年まで生きていて、そんなこともわからないのか?」

君たちはどうだろう。その年まで生きていて、わかるべきことがあるのではないだろうか。

俺的コメント

話の通じそうな共和党員もいるのね、と嬉しく記事を拝読しましたが、マッカーシー下院議長、「縛り首」になりました。あなおそろし極右の台頭。まあでも、喚くだけの人は、革新にも大勢いそうです。今更遅い、そもそも中絶に反対とか神を愛するとか言ってる時点で、お前の言うことには価値がない、とか叩かれそう。俺の、俺の話を聞け~2分だけでいいから~って歌いたくなりますね…

記事コメント欄で、これは大人になるとかならないという問題ではない、件の造反者たちが10年後に恥入るとか絶対有り得ない、そもそも人格に欠陥があるのだから、と言っている人がいます。自己愛性人格障害の疑いがあるトランプなんかは、確かに臨床的な欠陥を抱えていそうですが、単に扇動されやすくて強硬派になっちゃった人は、逆に成長の余地があるんじゃないかとも思います。

この引退議員さんのように、子供から環境危機について学んだ、という中高年は多いでしょう。俺の身内にもいます、もし子供を持たなかったら、「気候変動は都市伝説」と言いながら一生終わっていただろうと思わせる人が。今日の記事にように、年寄りが自らの若気の至りを反省して若者に説教するのも良いですが、子供が大人を教育する「リバースメンター」にも、もっと力を入れるべきですな。大人と子供が双方向で「気づき」をやりとりするしくみが家庭の外にもあればいいのに、と思います。



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新潟出身、カナダ在住。英語 -> 日本語 クリエイティブコンテンツ周辺のお仕事を請け負っています。

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