3分で読めるNYタイムズ記事まとめ

俺的アンテナに引っかかったニューヨークタイムズの面白記事を、個人的な感想と共に日本語で紹介しています。記事翻訳ではありません!


空の旅の新常識、預けた手荷物は迷子になると想定?

今日のピックアップNYT記事:Got a Flight? Don’t Even Think About Checking a Bag.

俺的記事まとめ

旅行用のパッキングが苦手すぎて困っている。ちょっと前にカレシ(注:自分はゲイである)と母親たち(自分らはとってもゲイである)とラスベガスにアデルを見に行った(つまり、そういう家族なの)時はもう、ラスベガスにお引越しですか?ってくらい荷物が多かった。ベガスで数ヶ月の長期公演をするアデルですら、自分らよりは荷物少なかったんじゃないかと。

自分のカレシは、旅行の荷物に関してはプログレ思想というか、「旅行に連れて行ってもらえない服がかわいそう」なのと、「ホテルの人に同じ服を2回着てるとこを見られたくない」ってことで、特に荷物が多い。

空港のカウンターで荷物を預けて、あとは宜しくって感じで悠々と手ぶらで搭乗した時代から変わってない自分らは、巡業サーカス団なみの荷物を抱えての旅になるのだが、今や機内持ち込みのバッグだけで旅行するのが常識らしい。搭乗時の「頭上の棚」の場所取りの凄まじさといったらもう、「ライオンキング」のヌーの大群かよって感じ。

機内持ち込みバッグだけで旅行する人の割合は、2013年の19パーセントから、昨年は41パーセントに上がったらしい。パンデミック明けの昨夏、旅行に飢えていた人々のリベンジバケーションで空の旅が大混雑、各地の空港にロスバゲの山が築かれた「手荷物メルトダウン」現象は記憶に新しい。いまどき、預けた手荷物がちゃんと目的地に着くと思うなよ、ということなのだろう。

かくして、荷物を減らすためのグッズを大量に買う羽目になるという、資本主義の矛盾がまたしても人間を襲う。例えば旅行カバンの中を整理する収納バッグのセット。自分らのご先祖様たちは、あんなもんなくても海を超えて大陸間移動の旅をしていたはずだが、ここ数年、必ず誰かがクリスマスにくれる。あと、シャンプーからドレッシングまで、あらゆる液体のトラベルサイズ版。それから、国防省なみに荷物の追跡ができるエアタグやらスマートスーツケースやら。

そして、TikTokに溢れる「荷物を減らすコツ」の数々。こんまり式服の畳み方、テトリス式パッキング、トラベル用枕に服を詰め込む、中には釣り用のベストを着用して荷物を全部ポケットに入れていく、なんてのもあって、航空保安局に通報されたらどうしてくれるの、と思う。

夏の旅行のパッキングのことを考えていたら、どっと疲れが…

「荷物を減らすコツ」で数十万のフォロワーを抱えるパッキングの専門家、ギャビー・ベックフォードに話を聞いてみた。ちょうどロンドンを旅行中だそうで、機内持ち込みのバッグしか持ってないから、地下鉄だろうとエアビーの部屋がエレベーターなしの3階にあろうと楽々運べるよ!と自慢された。

ギャビーの哲学はシンプルだ。いわく、「下着のパンツなんか世界中どこでも売ってる。持ってく必要はない」。足手まといになる荷物は持たず身軽に生きるという、ちょっとスピリチュアル入った旅行の達人だ。

自分の荷物の多さは、「何かあったときのために」あれもこれも持っていかないと不安になる「欠乏メンタリティ」から来ていると言われた。その不安は、行く前から旅行をネガティブな色に染めてしまうと。旅先の服装のオプションなんか多いほうが困るよ、インスタに載せたい服だけでで十分、もちろん目的地の気候にあった服装は必要だけど、バケーションなんだから気楽に考えて、とのこと。

ギャビーは、この夏ヨーロッパに旅行するフォロワーに、スーツケースは半分空っぽにして出発することを勧めている。その代わりにお小遣いを余分に持って行って、現地で買い物をするのはどう?と。

おお、これぞゲイの男も納得の素晴らしいアドバイス。何か買わなきゃならないとしたら、旅先で買う新しい服こそ、ときめきをくれるというもの。ただし、のちのち「今まで旅行先で買った服を全部持っていきたい!」ってまた悩むことになるだろうけど…

俺的コメント

トラベルサイズのシャンプーとか、あらゆるサイズの収納バッグとか、日本人にとってはフツーのことなんですが、北米人には目新しいことみたいですね。かつてカナダ人の友達が日本に遊びに来たとき、彼女のお泊まりセットに入っていたシャンプーも歯磨き粉も、「家庭用サイズ」だったんで驚きました。トラベルサイズって買わないの?と。そして彼女のスーツケースには、キャスターがついていなかった。「旅行=でかい荷物を車に積んで移動する」北米から来た方には、「駅から駅へと荷物を持って歩く」のは想定外だったらしく、成田空港から東京駅まで移動しただけで筋肉痛になったっけね。

去年の夏の「手荷物メルトダウン」はやばかった。「本当にあった怖い話」をいろいろ聞きましたよ。一週間のヨーロッパ滞在中、ついに手荷物が届かなくて、人間と荷物が別々の旅行をして帰ってきたとか。俺も昨年UKに行った際、「機内持ち込みだけで行くべきか」と悩んだのでありますが、一緒に行く人間が、「あれもこれも持っていかないと不安」なタイプだったので、でかいスーツケースを預かりにして行きましたとも。UKのエアビーは確かにエレベーターなしの3階でキツかった。

「旅先で服を調達する」のは、実は俺も大好きだったりします。昨年の旅行では、北のほうは夏でも寒い、と言われて夏服を持っていかなかったのです。そしたら異常気象で想定外に暑いではないか。お土産も兼ねてTシャツ買おうと思ったら、Tシャツって売ってなくて困ったっけね。セーターはいっぱい売ってたけど。こういうハプニングも旅行の醍醐味ではありますが、ロスバゲだけはやっぱり避けたいものだ。



About Me

新潟出身、カナダ在住。英語 -> 日本語 クリエイティブコンテンツ周辺のお仕事を請け負っています。

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