今日のピックアップNYT記事:U.S. and Canada Reach an Agreement on Diverting Asylum Seekers, Canadians Fume as Migrants Surge at Their Border
俺的記事まとめ
2023年3月、米国バイデン大統領とカナダのトルドー首相は、両国の国境で増え続ける不法入国者の対応について、新しい合意を取り付けた。
カナダでは近年、ケベック州の「ロクサムロード」と呼ばれる非公式な入国ポイントに難民申請者が押し寄せる事態が発生している。2004年に米国とカナダの間に交わされた条約によると、両国の正式な国境管理ポイントから入国を試みる難民にしか、送還措置が適用されない。ロクサムロードでの不法入国者は、RCMP(カナダ連邦警察)に逮捕されるが、数日で釈放される。難民申請者としてカナダ政府が費用を賄うホテルに滞在し、数ヶ月の間に医療その他カナダの社会保障が受けられるようになり、子供は公立の学校に通える。
労働力不足のカナダでは、経済活動の即戦力となるスキルを有した合法的な移民には、門戸を広く開ける政策を取っている。また、トルドー政権は、過去にシリアその他の国からの難民を歓迎し、カナダは西欧諸国とは違い移民に優しい国という評判を得ている。しかし、米加国境での不法移民が爆発的に増えた今、移民歓迎ムードは急速に萎んでいる。
カナダを目指す難民たちは、インターネットでロクサムロードの存在を知り、アメリカ経由で北に向かう。不法移民に強硬な姿勢を取り始めたバイデン政権下のニューヨーク市では、カナダに向かう難民にバスのチケットを購入する支援も行なっている。カナダ国境を越えようとする不法入国者の数は昨年4万人に上り、2019年から倍増している。多大な負担を強いられる州政府の批判を受け、トルドー首相は、米国からの不法入国者送還を制限する条約の改正をバイデン大統領に求めてきた。
新しい合意によると、カナダは今後ロクサムロードの不法入国者を米国に送還できるようになる。その代わりに、カナダは中南米からの難民を受け入れる新しいプログラムに合意、メキシコと国境を接する米国の負担を軽減する。
ドナルド・トランプとは犬猿の仲だったトルドー首相。トルドー父が首相だった頃から個人的なつながりがあるバイデン大統領とは、難民問題でも建設的な協力関係が期待されるが、不法移民の取り締まりを強化する傾向は難民支援団体の批判を呼びそうだ。
俺的コメント
どこの家でも、自分ちの家計が火の車なのに、人助けをしている余裕がないという話。難民受け入れは、国民に最も理解され難い件じゃないでしょうか。シリア難民の第一団を空港まで迎えに行ったトルドーのドヤ顔が忘れられません。あとで絶対で後悔するぞって思いましたがその通りになったよ。あのドヤ顔を苦々しく思っていた国民は多いのです。先週、地元にジョーおじさんが来てトルドー坊と会談したっけね。お互い難民には寛容でありたい同士だけどツラいよね~って慰め合ったのでは。
俺の子供がアイスホッケーをやっているのですが、とある国境沿いの街で、毎年大きな大会があります。今年は、難民の方々でホテルがいっぱいになり、大会が開けない事態になりました。首相が難民をバンバン受け入れるから、カナダの子供達のためのホッケー大会が開けない!あり得ない!というホッケーパパ・ママ多し。アイスホッケーというのは、カナダでは宗教のようなものです。アイスホッケーみたいな金のかかるスポーツをやっている子どもは、恵まれているんだから、難民の皆様のために少しは我慢しなさい…と大声では言えない雰囲気。
だいたい、カナダ国内でホームレスがごまんといるのに、なんで不法移民を何ヶ月も俺らの税金でホテルに泊めてあげなならんのだ、という怒りの声があちこちで上がっております。じゃあ難民対策予算を引き上げて、その分ホームレスをホテルに住まわせたら、それはそれであり得ないって言うくせにって思いますが、難民問題とホームレス問題をごっちゃにするのは極めて自然な感情なのでしょう。
American Dirtという本を読みました。メキシコからアメリカに逃げてくる人の話ですが、国を捨てなければならない人々の事情や心情に気づかされる凄い小説です。(俺的にはおすすめ本ですが、いろいろすったもんだがあった本でして、これを読んでメキシコを知った気になるな、という意見もあります。)難民支援の方々が言うように、誰にでも国境を越える権利があります。国境を守る権利とのバランスをどうしたもんでしょうか。
