今日のピックアップNYT記事:Let’s All Do the DeSantis Shimmy!
俺的記事まとめ
青雲の志に燃える若き政治家。順調に出世街道を進む中、世界的な大問題が持ち上がる。ここぞとばかりに政界の寵児は果敢に立ち上がり、見事に歴史的な危機を…….逃げ切るのだ。
あらゆる角度からの攻撃を華麗にかわし、きれいごとを並べたて、立ち位置を特定されないように弁舌を駆使、傷をひとつも負わずに栄光のトップまで昇りつめてやる!
ロン・デサンティスが目指しているのは、つまりそういうことだ。
ウクライナ支援に関し、共和党員の姿勢は2つに割れている。ひとつは、ウクライナへの攻撃は自由主義世界を脅かすものであり、米国はウクライナの抵抗を支援すべきというもの。もうひとつは、ウクライナを支援しても米国にメリットはないという、アメリカファーストなポピュリスト的立場。
デサンティスの立ち位置は?かつてはロシアに対して強硬な立場を取り、ドナルド・トランプはプーチンに対して寛容すぎると批判していたはずが、直近のFOX番組では、「バイデンが弱腰でなければ戦争は起こらなかった」「ウクライナに無制限の支援をするのは反対」(誰も無制限に支援するとか言ってない)「遠くの国境よりも自国の国境」など、ウクライナ支援に賛成なのか反対なのかよくわからない発言を繰り出している。
「トランプみたいでトランプじゃない政治家」として売り出す問題点は、自分自身のカラーで勝負できないという点だ。戦略的思考ができる政治家ならば、トランプと真っ向から戦うか、徹底してトランプのコピーになるかのどちらかを選ぶはずだが、デサンティスの場合は、王様を怒らせずに王様と競争しようという、かなり無理筋なやり方を選んでいる。
玉虫色に光っている策士デサンティスだが、いずれトランプ色が強くなっていくと予想される。その理由は2つ。ひとつは、デサンティスがすでにポピュリストの尻馬に便乗しているという点。もうひとつは、右寄りのメディアに「グローバリスト」認定されたらたいへん困るという点。
調査によると、共和党員の40%が米国のウクライナ支援は過剰であると考えており、41%は妥当または不足と考えているという。この分かれ方は、2022年の中間選挙結果と通じるものがあり、共和党にポピュリストが多いのは事実だが、逆にポピュリストではない党員も多いことを示している。
デサンティスの足場は、思ったより脆いのかもしれない。ポピュリスト票を取るためにトランプ色を強めれば、ポピュリストではない41%の支持を失うことになる。そうなれば、ブライアン・ケンプやティム・スコットなど、従来的な保守路線が台頭する可能性もあるだろう。
俺的コメント
先日の記事に引き続き、トランプの有力ライバルという噂のフロリダ知事のお話です。トランプ御老公に取って代われるだけの器量がないんだったら、非ポピュリスト路線で行けばよかったのになあ?伝統的保守層に愛されそうな印象なのに、トランプ信者をも抱き込もうとして墓穴掘るかもってことでしょうか。
デサンティスさん、すでに御大に虐められていて、トランプらしいお下劣な中傷にビシっと言い返すでもなく放置しているそうな。それがカッコいいと映るか、ヘタレと映るか、微妙なとこですね。強いアメリカが大好きなポピュリストには、殴られても殴り返さない男はウケないんじゃないですかね?ハーバード出身のエリートで外見も良いし、MAGA系に嫌われそうな感じだし。
この記事によると、デサンティスさんが狙っているのは、普通のMAGAと極右の中間らしいのですが、なんでMAGAと伝統的保守の中間じゃないんでしょうか。ハリウッド映画で大統領の役できそうな外見がネックなのかなあ?ここだけの話、一般受けする外見は不利ですよ。カナダの首相なんか無駄にイケメンすぎて、いかにもモテなさそうな極右に呪い殺されそうだよね。その点、カナダの今の保守党のリーダーは有利。顔がいじめられっ子だし、名前がPP(ピーピー=おしっこ)ですよ? ポピュリストのヒーローになるには、デサンティスさんではミスキャストなのかもしれません。
